費用対効果を考えて対物は無制限にするべき

人身事故だと億単位の損害も発生し得ることから、自動車保険の対人賠償については「無制限」にすることはほぼ常識として定着しているといっていいでしょう。

一方、対物賠償の限度額はどうでしょうか。

最近でこそ「対物:無制限」がおススメになっている保険会社が多くなりましたが、一頃は「高級外車との事故を考ええても1千万円もあれば大丈夫なんじゃないか」といったような考えで、限度額を1千万円とか2千万円とかにする方も少なくなかったようです。

でも、良く考えてみるとこれは非常にリスキーなことだということがわかります。

自動車事故で発生する損害は、車とは限らないのです。

裁判所で認定された次の賠償額の実例をご覧ください。

1億2千万円(電車・線路などの損害)、1億2千万円(トレーラーの損害)、1億1千万円(電車の損害)

2億6千万円 (呉服・毛皮など積荷の損害)、1億4千万円 (店舗の損害)

どうでしょうか、これをみたらとても1千万円や2千万円でいいやなどとは思えなくなるはずです。

店舗の例はパチンコ店ですが、店舗などに損害を与えてしまった場合は店舗の修復の他に営業を再開するまでの休業補償もしなければならないので賠償額が高額になるのです。

軽自動車の保険なのだから「そこまでは必要ないのではないか」とか、物損事故も大したことにはならないだろうと考える方も居られるかもしれませんが、いざという時は人命優先の回避行動がとられるのが普通であり、そのあおりでどんな物的損害が起こっても不思議ではありません。

人身事故にしたくないからこそ物損の方が大きくなる可能性が高いと言って良いかもしれません。

■せいぜい1,000円足らずで「1千万円」を「無制限」にできる

対物賠償の上限額を無制限にした方がいいもう一つの理由は、「1千万円」と「無制限」との保険料の違いは年間で1,000円もかからないからです。

7社の保険会社で保険料の差額をシミュレーションしてみましたが、高いところ(損保ジャパン)で900円の差額、安いところ(SBI損保)では530円の差額にしかなりません。

(次の条件で比較 ⇒ 年齢:30歳 等級:12等級 免許証の色:ブルー免許 運転者限定:本人限定 主たる用途:日常・レジャー 走行距離:8,000km )

年間1,000円足らずの保険料追加で上記のような高額賠償の不安が解消されるのですから、これは本当に安いものだと思います。

逆に言えば、限度額を無制限から1,000万円に落としてみても、保険料の節約額は1,000円にもならず、リスクだけが大きくなってしまいます。

近年各保険会社とも「対物:無制限」をスタンダードとしておススメにするようになったのは、このようなことからだと思います。

対人賠償と同様、対物賠償についても「無制限」が常識と考え、保険会社のおススメに素直に乗っかるのが賢明だということですね。

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