高い任意保険はそれだけのメリットがあるのか

軽自動車の魅力はなんと言っても維持費が普通車に比べて安いことでしょう。

でもここ数年の間に、自賠責保険料の値上げ、自動車税の値上などによって普通車と軽自動車との金額差が小さくなり、維持費の面での軽自動車のメリットは大幅に小さくなりました。

「軽自動車だから黙っていても安くなるはず」などとのんきにしていると、実は保険料、税金などの維持費が普通車より大きくなりかねないというような状況になってきました。

中でも金額的に影響が大きいのは任意保険の保険料です。

強制保険である自賠責は保険会社がどこであろうと金額は変りませんが、任意保険(いわゆる自動車保険)は、保険会社が違うと保険料も大きく違ってしまいます。

実際身近な所であった話ですが、ヴィッツ(普通車)とムーヴ(軽自動車)があり、ヴィッツの任意保険を別の保険会社に切り替えたら軽のムーヴの保険料の方がはるかに高くなってしまったという実例もあります。

軽自動車だからどこの保険会社でも任意保険料が普通車より安くなるという時代もありましたが、1998年の保険の自由化によってそんな状況はとっくになくなり、現在では保険会社によって任意保険料に万単位の差が出ることも珍しいことではありません。

維持費が高いとメリットが大きく損なわれる軽自動車こそ、金額的に比重の高い任意保険は自分で調べて選ばなければ良い結果が期待できないのが今の状況です。

■保険会社によってどれほど保険料が違うのか

自由化で軽自動車の任意保険が自由競争となり、20社を超える保険会社等がしのぎを削っています。

例えばN-BOXを例に取り上げて各社の任意保険料を比べてみましょう。

三井住友海上   32,870円      セゾン損保    24,910円

東京海上日動   31,080円      SBI損保    17,760円

損保ジャパン   28,770円      アクサダイレクト 17,020円

ソニー損保    26,990円      三井ダイレクト  16,840円

(35歳以上補償 13等級 対人:無制限 対物:無制限 人身障害:3千万円 車両保険:なし)

同じ補償内容、同じ加入条件なのに、どうですかこの保険料の違い。

一番安いところと一番高いところでは16,030円も違い、ほぼ2倍近い保険料の差になっています。

このような各社の違いがあるので、下手に選ぶと軽自動車でも普通車より高い保険料になりかねないのです。

■安い任意保険と高い任意保険はどこがどう違うのか

上で取り上げた例で言えば、保険料が高くなっているいる上位3社(三井住友海上、東京海上日動、損保ジャパン)は一般に「代理店型」と呼ばれている任意保険で、その他の5社は「通販型」あるいは「ダイレクト系」の任意保険と呼ばれています。

両者の一番の違いは、保険会社の代理店を通して契約するか、保険会社と直接に契約するかという点です。

代理店型の場合は、新車ディーラーや中古車販売店などを勧誘等の代理店としていて、成約すれば代理店に対して保険料の一定割合の手数料が支払われます。

この「代理店手数料」が代理店型の保険料を高くしている大きな原因であり、本筋の補償内容とは全く関係のない経費が加入者の保険料にオンされているのです。
(業界に詳しい方の話では保険料のなんと10%~15%程度が代理店手数料だといいます。)

一方、通販型の任意保険は、代理店ではなくTVコマーシャルなどで勧誘を行いインターネットや電話などで直接契約をすることができるため、中間コストがかからない分保険料が安くなっています。

代理店手数料や代理店をまとめる支店、支社などの中間経費がかからない契約形態にすることによって、代理店型より大幅に安い保険料を実現しているのです。

■代理店のいない任意保険でもいざという時大丈夫なのか?

「代理店のいない通販型の任意保険で、いざという時に本当に大丈夫なのか」ということを考える場合に、ぜひ知っておきたいポイントが二つあります。

それは、

①事故時に代理店が仲介やあっせん等を行うことは法律で禁じられていること

②専業のプロ代理店は全国で15%程度しか無く、ほとんどは車ディーラーなど片手間のアマチュア代理店であること

の2点です。

今でも「いざという時は身近に代理店がいて現場に駆けつける代理店型の方が安心」というコメントをネットで見かけることがありますが、これは全く誤った情報です。

専業代理店の経験者でさえも現場に駆けつけることはほとんどないと明言しています。

仮に駆けつけたとしても法律で事故対応が禁じられているのですから、実質的に何もすることはありません。

できるとすればアドバイスくらいでしょうが、ディーラー、中古車店、修理工場などのアマチュア代理店の人にどんなアドバイスができるというのでしょうか。

通販型であろうが代理店型であろうが事故受付の窓口はすべて保険会社直接の窓口です。

「事故があったらまず代理店に連絡してください」としている保険会社など一つも存在しません。

事故受付、初期対応、その後の事故対応など、いざという時の対応はどの任意保険でも保険会社の事故対応担当者が直接行うことになっています。

さらに言うならば、事故対応について代理店があれこれ口を挟むことを保険会社自体が嫌っているということです。

そりゃそうだと思います。たとえ専業代理店のプロだとしても、事故対応が禁じられている代理店の人に現場であれこれ動かれれば、保険会社の事故処理にとって良い結果にならないことは目に見えています。

通販型に顧客を奪われたくない代理店関係者としてはウソをついてでも「事故の時は代理店型の方が安心」と言いたいのでしょうが、保険会社としては事故現場に代理店が行ってあれこれ動かれたら困るというのが本音なのです。

保険会社が代理店手数料を支払うのは、決して事故対応のためではなく、あくまでも勧誘のためだということですね。

つまり代理店型の任意保険を高くしている代理店手数料というのは、事故時の加入者のメリットとはほとんど無関係なコストだということになります。

ここまで理解できれば「事故の時は代理店型の方が安心」という言葉に惑わされることなく安い任意保険を安心して選ぶことができるようになると思います。

■軽自動車には安い任意保険を選ぼう

自動車保険というのは、値段が高い(保険料が高い)からといってそれだけメリットも大きくなるとは限らない限らない商品だということがわかりました。

逆に言えば、保険料が安いからといって「安かろう悪かろう」と言われるような粗悪な任意保険などではないということです。

自動車保険は金融庁が厳格に認可、監督する保険事業で、補償や事故対応などで宣伝文句に偽りがあるような自動車保険は金融庁が放って置くはずがありません。

金融庁が認可、監督する銀行ののように、それぞれの商品のそれぞれの特色の違いはあるにしろ、認可を受けた自動車保険というのは通販型であろうが代理店型であろうが同格の保険事業なのです。

それだったら、何もわざわざ高いものを選ぶ必要がありません。

特に軽自動車の場合は維持費のメリットをできるだけ生かすために、できるだけ保険料の安い任意保険を選ぶのがいいと思います。

代理店関係者の中には「通販型は補償内容も自己責任で選ぶことになるから初心者は無理」などという方も居られるようですが、補償内容といったって必要なラインナップはほとんどパターン化されていて、初心者でも難しいことはありません。

通販型各社のサイトを見てみればわかりますが、ほとんどの保険会社がわかりやすいパッケージを用意し予算に応じて選べるようになっています。
補償内容の基本的なパターンについてはこちら⇒ 補償内容の基本パターン

代理店に選んでもらわなければ組めない自動車保険などありません。

むしろ自分で少し調べて自分に合った補償内容にした方が勉強になって後々のためになりますし、一度自分でやってみれば「こんな程度のことのために○万円も高い保険料を払っていたのか」という思いに駆られることになると思います。

自動車保険をいたずらに難しそうにして顧客を引きとめようとしているのは代理店関係者の悲しい戦略?なのだと思います。

こんなことばかりやっていたのでは、大元の保険会社がますます保険代理店を絞りこもうとするだけではないでしょうか。


■結局は軽自動車の保険はどうやって選べばいい?

保険料の安い自動車保険でも特に心配は無く、むしろコストパフォーマンスが高い保険だということがわかれば、次は軽自動車にふさわしい保険をどうやって選ぶのかということになります。

一番簡単なのは、自動車保険の一括見積もりサービスを利用することでしょう。

一括見積もりというのは、ネットからの一度の入力で例えば最大20社など、多くの保険会社に見積もりをしてもらうことのできる無料サービスです。

これを利用すれば、まさに一発で自分の軽自動車の保険料を多数比べることができます。

一覧比較もできますから、その中から一番安い保険会社を選んでも良いでしょうし、たとえば無料ロードサービスなど自分なりのこだわりがあれば、いくつかの候補に絞ってその中から納得できるものを選んでもいいでしょう。

一括見積もりのサイトから直接契約まで進めますし、お目当ての保険をもっと詳しく知りたいのであれば、改めてその保険会社の公式サイトに行って契約するのもいいでしょう。

各社ともフリーダイヤルで電話での問い合わせにも応じていますから、ネットでの契約でわからない点が出てきたら、オペレーターのアドバイスを聞きながら画面操作を進めるといったことも可能です。

通販型は電話での契約も可能ですが、せっかくですのでネットで契約まで済ませた方が断然お得です。

電話契約だと8千円とか1万円とかの「インターネット割引」が受けられなくなってしまうからです。

オペレーターも「インターネット契約の方が得ですよ」と教えてくれ、その方向でアドバイスしてくらますよ。

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